白雨の株式投資cafe

長期投資で億り人を目指す兼業投資家です。趣味は株式投資と筋トレと旅行。日本株への長期投資で経済的自由人になりたい。

ストーリーが崩れない限り持ち続ける

お疲れ様、白雨です。

間が空いてしまいましたが投資のフレーム第2回です。今回は成長株のストーリーと長期投資における心意気というか気概というか心構えについて書きたいと思います。

 

成長株投資におけるストーリー

はじめに株式投資のおけるストーリーについて解説したいと思います。白雨の投資フレームである成長株においてのストーリーとはその株が今後も成長するかつまりはEPSの成長を見込めるかどうかが重要です。

EPSの成長が見込めるかどうかはまず売上高の推移と営業利益の推移を確認する必要があります。下記の画像はウィルグループという人材派遣会社の過去5年分の売上高と営業利益の推移です。右肩上がりで成長していることがわかります。

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ウィルグループ売上高推移

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ウィルグループ営業利益推移


この右肩上がりの成長により売上高は5年間で3倍に、営業利益は2.5倍になりました。EPS成長率で言うと年率25%の成長です。厳密に言うとEPSと営業利益は異なりますがここでは売上高が伸びて利益も伸びてきた(=EPS成長率が高い)認識を持ってもらえればいいです。

 

このEPSの成長、これが成長株投資における一つのストーリーになります。

 

ストーリーの2つの観点

①成長しているか

成長株投資のおいては過去EPSが成長しているかを確認するのはそんなに難しく無いです。決算をごまかしていない限りはIR情報から追えますし、今時は企業のIRも充実してますからIR情報のページで推移も確認できます。

基本的には売上高上昇=利益上昇となるのでまずは売上高の上昇に注目します。

え。利益が伸びてればEPSが増えるから売上高が伸びてなくてもEPSは伸びるんじゃ無いの?

そんな疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが成長株投資では売上高の上昇も重要です。売上高が変わらなくても最近あなたの会社で流行りのコストカットを進めることによって利益を伸ばす企業もありますが成長株投資では買うべき株ではありません。

それはなぜか?コストカットを永遠にできる企業は存在しないからです。なんとなくイメージは出来ますね。無駄をカットし続けても無駄がなくなった時点でコストカット出来なくなりますからそれ以上の利益上昇は見込めなくなります。成長株投資においてはEPS成長率に着目しますが売上高の上昇も重視する必要があります。

つまり売上高上昇→利益上昇→EPS成長率が高い。こんな企業を買う必要があります。

 

②まだ成長できるか

いわゆる成長余地という考え方です。今まで売上高を伸ばし続けていた企業が今後も伸ばし続けることができるかですがこれは企業規模も影響します。売上高の上昇が利益を上昇させることは理解できるかと思いますが売上高がどこまで伸びるか。この観点も必要になります。例えるならこんな企業です。

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セブンイレブン国内都道府県別店舗数(2019年3月末)

おそらく日本で知らない方はもういないのでは無いでしょうか?コンビニエンスストアのセブンイレブンです。沖縄を除く日本に住んでいらっしゃる方は家の近くにありますよねセブンイレブン。私も割高だと認識しながらもついつい便利で仕事帰りに寄ってしまいます。まさに近くて便利な訳です。そんなセブンイレブンですが国内では2万店舗を超えています。流石ですね。思い返せば職場から自宅までに5店舗はセブンイレブンがあります。

そんなセブンイレブンを運営するセブンイレブンHDですが少なくともセブンイレブンの店舗を増やして成長するのは少なくとも国内は難しいとわかります。まだ隙間はありますので全く出来ない訳ではありませんが成長余地で見ると非常に小さいことがわかります。

成長株投資では成長余地の大きい株を買うべきなのであくまでも国内の成長余地という一つの観点ではセブンイレブンHDの株は投資対象として適していないと考える必要があります。

 

ストーリーまとめ

成長株投資におけるストーリーは成長しているか(=EPS成長率が高いか)、まだ成長できるか(=成長余地が大きいか)この二つの観点が必要になります。

実際のところストーリーは個別の企業によって全く違うので画一的に当てはまる公式はありません。ここで重要なのは成長株投資においては選んだ企業が成長できるか、どこまで成長できるかを予想する力が必要ということです。

 

ストーリーについては成長株投資において最も重要なので今後も随時補足したいと思います。 

 

崩れない限り持ち続ける

成長株投資における株の売り時は3つあります。

①ストーリーが崩れた時

②割高になった時

③他に良い株が見つかった時

 

このうち重要なのは①ストーリーが崩れた時です。短期筋やデイトレーダーの方は株価の上がり下がりで売買を行い、利益を出しますから主に株価に注目しています。(もちろんそれだけではないと思うが)

ですが数年単位で成長株投資を行う腰の据わった長期投資家は短期的な株価の変動をあまり気にしません。ストーリーを気にします。その企業が成長しているかを常に注目しているのです。

逆に言えばストーリーが崩れた時は株価が上がっていようが下がっていようがすぐに株を売ります。

 

ではストーリーが崩れた時とはどんな時でしょうか。

 

最近ではスルガ銀行と組んで不正融資を行なっていたTATERUです。TATERUは上場時から順調に売上高と利益を伸ばし続けており、過去のIRを見てもまさに成長株といった業績でした。投資家もこのEPS成長率が続くと期待して、つまりはTATERUの事業が上手くいくストーリーに投資していたのです。しかし、ご存知の通り不正融資が発覚したところで売上高も利益も激減してしまいます。当然未来のEPS(=EPS成長率)も激減しましたからPERの下落も相まって株価は真っ逆さまに落ちていくことになります。

このように不正融資の発覚という不動産の販売数が伸び続けるというストーリーが崩れた時点で株は売りになります。ここで勘違いする人もいると思いますが株価が下がったから売りではないのです。株価が下がったのはストーリーが崩れたことによりEPSが下がった結果、多くの投資家が売りにまわったため株価が下がったのです。

長期投資家にとっては株価の上昇は当然嬉しいですが見るべき点は株価ではなくストーリーとなります。なのでストーリーという前提が崩れた以上、株価がどうであれ売り。これが結論です。

 

株価はもっとも使えない情報だがもっとも広く使われている。

                   ーピーター・リンチ

 

 成長株投資をする上では株価ばかりを見ずにストーリーを重視し、日々チェックを忘れない。Buy & Homeworkの姿勢が大事になります。

 

持ち続ける

成長株投資における長期投資で大きな利益を得るためには数年単位という保有期間が必要になります。それはなぜか?企業の成長には時間がかかるからです。

成長株投資において適正な成長率とは15%から25%です。EPS成長率が20%の企業が利益を2倍にするには3.6年かかります。これでも年率20%はかなりの成長率です。それですら4年近くかかるので自ずと保有期間は長くなります。企業の成長に合わせた株価の上昇で利益を得る成長株投資では時間軸をながーく取る必要があります。

実際にウィルグループの株価もずっと右肩上がりに成長していません。ただ長期的にはEPS成長率に合わせて株価も上がっていることがわかります。この「長期的には」が重要で成長株の株価上昇で利益を得るには短期的な株価は気にしない。こんな心構えが必要です。

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ストーリーが崩れれば売りなのですが逆に言えばストーリーが崩れない限りはずっと保有する。ストーリーの良いEPS成長率が高い株を買ったらあとはずっと持ち続ければ良いのです。成長株投資でそれなりの利益を得るには短期的な株価の変動を気にしてはいけません。

 

まとめ

成長株投資ではストーリーを重視する。

ストーリーが崩れない限り持ち続ける

 

また長文になってしまいましたが次で最後です。

 

白雨