白雨の株式投資cafe

長期投資で億り人を目指す兼業投資家です。趣味は株式投資と筋トレと旅行。日本株への長期投資で経済的自由人になりたい。

成長株を割安な価格で買う

お疲れ様、白雨です。

今回からは3回に分けて白雨の投資フレームを紹介する第1回目です。もちろんこの記事で全てが書き切れるわけではないので補完記事もこれからちょくちょく書いていきます。あくまでフレームですからね。その程度と捉えて下さい。

 

成長株を買う

まずは最も重要な要素から紹介しましょう。投資対象の大前提は「成長株」を買う。厳密に言えばこれから成長余地のある銘柄が投資対象です。株式投資での儲けはキャピタルゲイン(=株価の値上がり益)とインカムゲイン(=配当)がありますが基本的には成長株投資はキャピタルゲインの最大化を目指す投資です。つまり成長株投資は株価の上昇を期待します。

 

成長株における株価

長期投資における成長株の株価は概ね以下の式で表せます。

 

株価 = PER(株価収益率)  ×  EPS(1株あたり利益)

 

リスクプレミアム、金利、需給要因などその他の要素もありますが成長株においてとりあえず初心者の方が着目すべきはPERとEPS(EPS成長率)です。

 

PERは簡単に言えばその銘柄に対する評価です。具体的に説明します。

銘柄Aは株価が1,000円、EPSは100円、銘柄Bは株価が2,000円、EPSは100円です。

銘柄Aは1,000 = PER  × 100 なのでPERは10です。

銘柄Bは2,000 = PER  × 100 なのでPERは20です。

利益は同じなのに株価が違う銘柄がありますが理由の一つはその銘柄に対する評価でその評価を表すのがPERです。利益が同じでも銘柄Bの方が2倍評価されているので株価も2倍です。

ではPERは何で決まるのでしょうか。その答えは金利と銘柄ごとのリスクプレミアムです。リスクプレミアムはリスクに対する見返りとでも表現できるでしょうか。リスクが上がればより大きなリスクプレミアムを市場が求めるのでリスクプレミアムが上がります。

既に経済大国となった中国の経済が行き詰まれば世界経済に悪影響が出ます。そのため中国の経済に陰りが見えればリスクが上昇したと判断され、リスクにあったリスクプレミアムを市場が求めるのでリスクプレミアムが上がります。

 

PER = 1  / (金利 + リスクプレミアム)

 

PERは金利とリスクプレミアムの逆数なので金利とリスクプレミアムが下がればPERが上がる=株価が上がります。金利とリスクプレミアムが上がればPERが下がるので=株価が下がります。

金利はどの銘柄にとってもほぼ同じですから銘柄によって異なるのはリスクプレミアムです。リスクが高いと判断されている銘柄は

リスクプレミアム ↑ = PER ↓  = 株価 ↓

となり株価が下がります。

 

EPSはその銘柄の稼ぐ力、つまりは利益です。

利益は会社のものでも従業員のものでもなく株主のものですから利益が上がれば株主の懐に利益が入ります。利益が上昇すれば株主への還元に期待できますから株価が上昇する。EPSは割と単純です。

 

銘柄C はPER10の銘柄なのでEPSが100円でしたら株価は1,000円です。

銘柄Cの利益が2倍になりEPSが2倍になったします。EPSが200円になったのでPERが変わらなければPER10 × EPS 200円 = 2,000円と株価も2倍になります。

 

ここまでよろしいでしょうか。ずいぶん理論的な話になってしまいましたが株式投資を始めるのであればこのぐらいは最低限理解できるようになりましょう。

 

成長株=EPSが増える株価

ではPERとEPSどちらを重視すればよいでしょうか。成長株投資と言う観点に基づいて言えばEPS(=EPS成長率)に着目すべきでしょう。EPSが上昇している=会社が上手くいっていると判断されますからリスクプレミアムが下がり、PERも上昇します。株価はPER × EPSなので乗数的に株価が上昇します。PERは市場全体の評価なので未来のPERを予想することは難しいですがEPSが上昇するかどうか(=EPS成長率が高いかどうか)はある程度予想ができます。

ではEPSが上昇する銘柄を予想するにはどのようなことを考えれば良いか。それは次の記事で解説するのでここではEPSの上昇が株価を上昇させる要因になる。

 

そして成長株投資ではEPSの上昇(=EPS成長率)に着目する。

 

ここだけ理解できれば良いです。

 

割安な株を買う

次のポイントは割安な株を買う。ここでポイントなのは「安い」ではなく「割安」ということです。最近の株雑誌では少額でも始められる投資先として1単元あたりが安い株を特集していますがここで言う割安はそういった観点ではありません。

では割安とはどう言うことか。次の場面を想像して下さい。

 

カップラーメンを思い浮かべて下さい。カップラーメンは近くのコンビニで買うときには値段が150円とします。このカップラーメンの本質的な価値を150円とします。ところがこのカップラーメンは同じものがディスカウントストアで100円で売られていました。本質的価値は150円のままなのでお得です。本質的価値に対して価格が安いですからこの状態を割安と表現します。

次は逆の場合です。あなたは登山をしていて山小屋でカップラーメンを見つけました。麓のコンビニで買えば本質的価値と同じ150円で買えるものが300円で売っています。本質的価値に対して価格が高いので運搬が困難な山小屋という状況を加味しなければ本質的価値より価格が高いので買えば損をします。つまりは割高です。

 

もちろん山小屋でお腹が空いていれば本質的価値より割高でも買います。そこに需要があれば割高であっても買う人はいます。ただ3万円と言われたら遭難中でもない限りは買う人はいないでしょう。なぜですか?本質的価値との比較を考えたからではないでしょうか。当然ですね。本質的価値が150円のカップラーメンを200倍の価格で買うのはとても損(=割高)であると感覚的にわかります。

 

カップラーメンでは100円では割安、3万円では非常に割高であると判断できました。なぜ判断出来たか?それは本質的価値が150円であるとわかっていたからです。

 

本質的価値を考える 

では成長株投資における企業の本質的価値とはなんでしょう。成長株投資においては稼ぐ力。つまりは利益を生み出す力であるというのが結論です。利益を生み出す力が強い企業こそEPSが高いので株価も上昇します。

ところがここで問題が起きます。企業の利益を生み出す力はカップラーメンと違う点があるのです。お湯を注いで3分の簡単な話ではないと言うことです。

 

企業の稼ぐ力は決算書でわかるがそれは過去のもの

企業の利益を生み出す力は損益計算書と財務諸表を見ればわかります。損益計算書は会計年度中の損益が記載されているので1会計年度でその企業がどれだけ稼いだか一目でわかります。ですが決算書はあくまで過去のものです。株価は過去のEPSを基にするのではなく近未来のEPSを予想して動きます。この予想はその企業のものであったり、アナリストのものであったり市場参加者が判断するので色々な予想があります。その市場参加者の予想が楽観的になったり悲観的になるのでリスクプレミアムが変わります。その結果、PERも変わります。PER×EPSが株価になるので株価も動く。という訳です。

ビジネスの世界にいらっしゃる方には言うまでもありませんが、株式投資の世界においても過去を気にしすぎては勝つことはできません。ビジネスにおいて大事なことは過去どうであったかよりもこれからの未来です。そして株式投資において大事なのは過去の利益を生み出す力ではありません。これから先、企業がどれだけ利益を出す力を伸ばせるかを見極め、企業の本質的価値を予想する力です。

 

ビジネスの世界では、常にフロントガラスより、バックミラーの方がよく見える             ーウォーレン・バフェット

 

 株式投資界隈では知らない人はいない世界一の投資家ウォーレン・バフェットの言葉です。ビジネスにおいても株式投資においても決算書という形でバックミラーはよく見えます。しかしバックミラーばかりを見て運転する人がいないようにビジネスでも株式投資においても見るべきは未来です。バックミラーはあくまで未来を予想する要素に過ぎません。見るべきは未来に企業が稼ぐ力、つまりは未来のEPS(=EPS成長率)です。

 

話が前後しましたがこれがカップラーメンとの違いです。カップラーメンは非常食でもない限りはすぐに消費してしまいますから未来の本質的価値を予想して買ったりしません。ところが企業の利益を稼ぐ力は未来では大きく変わるので予想して買う必要があります。要は見るべき時間軸が違うのです。カップラーメンは今の本質的価値を基準に割安、割高を考えますが、成長株投資において株を買うときには未来の本来的価値を予想して買う必要があります。そして成長株投資において本質的価値とは未来の利益を稼ぐ力(=EPS成長率)であると言えます。

 

結論に移ります。成長株投資において割安、割高は企業の本質的価値から判断する。そして成長株における企業の本質的価値とはEPS成長率である。

 

つまりEPS成長率から割安、割高を考える。

 

また、言うまでも無いと思いますが成長株投資において買うべきは当然、割安な株になります。

 

 

まとめ

  • 成長株投資ではEPS成長率に注目して成長株を買う
  • 企業の未来の本質的価値(=EPS成長率)を予想して割安な株を買う

 

結局のところこの記事は言いたいことはこの2行だけです。

 

白雨